桜を詠める五首


例年に遅れた桜
   当人の知らぬ合間に自粛されてた



常よりも着飾るさくら
   人の世に手本をしめす 
      こんなときだから



はなぐわし春来りなば咲く桜
   去年とは異なる心地で覧る



香でしめす変わらぬことの大切を
   満開の桜
      知らぬ顔して



花ぞむかしの香ににほいける
   いつの日かあのときだって
      咲いたじゃないかと言うために